ある雪の降る日私は運命の恋をする
パチッとまた目が覚める。

どうやら、楓摩を待っている間にまた、眠ってしまったようだ。

今日は、寝てばっかりだな……

そう考えているとドアがノックされた。

コンコンッ

ガラッ

「朱鳥ー、やっほー」

珍しくハイテンションの楓摩。

「楓摩、元気だね。なにかあったの?」

「うん!!今日、手術の手伝いがあったんだけど、すっごい尊敬してる先輩が"上手い"って褒めてくれたんだ!!」

満面の笑みでそう自慢げに言う楓摩。

その笑顔を見てると、私まで笑顔になれた。

「そうなんだ。楓摩、すっごい嬉しそうだね」

「うん。朱鳥も元気そうで良かった。今日は、何も無かった?」

「うん。大丈夫だったよ。早く、明日になって、ここから出たいな」

そう言うと、楓摩はもっと笑顔になって、私の手を握ってくれた。

「明日になったら、いーっぱい、ギューしよーな!!」

「うん!!」

久しぶりに心から笑えた日だった。
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