ある雪の降る日私は運命の恋をする
点滴を初めて2日目。

1日目の昨日から、副作用は出てるけど、いつもと変わらず、我慢しようと思えば我慢できるものだった。

でも、その日の夜。

いつもとは違う変化があった。

少しだけ、熱が出てきたと思ったら、30分もしないうちに、みるみる自分の体が熱くなっていくのがわかった。

体も怠くて、寒気よりも、自分の体が熱くてしょうがない。

コンコンッ

ガラッ

「朱鳥ー」

仕事が終わった楓摩が様子を見に来てくれた。

「あれ、朱鳥、熱ある?」

楓摩も、すぐに私が熱あることに気付いたようで、すぐに体温計を出して、熱を計ってくれる。

ピピピピピッ♪

ピピピピピッ♪

「うわっ、40度あるじゃん!!朱鳥、大丈夫?」

なんとか、コクンと頷く。

「大丈夫じゃなさそうだね…。辛そうだし、解熱剤持ってくるね。」

コクン

そう言って楓摩は病室を出ていった。

そこまで熱があったなんて驚いた。

だって、夜の回診、つまり5時か6時くらいの時は平熱だった。

本当に、一気に体温が上がったみたい。

少しすると、楓摩が注射器を持って、戻ってきた。

腕に解熱剤を打たれ、額に冷えピタを貼ってもらった。

「やっぱり、強い薬のせいかな…。さっきは熱無かったのにね……」

そう言って、手を握ってくれる。

私は、まだ頑張れる って言いたかったけど、怠すぎて喋る力も無かった。

だから、ほんの少しの力で楓摩の手を握り返した。

「朱鳥。これから、もっと辛くなるかもしれない。…けど、頑張ろうね。あと少しだから。辛かったらすぐに言って?できるだけ傍に居るし、夜も心細かったら朱鳥が寝れるまで手握っててあげるから。」

コクン

私がそう頷くと、楓摩は私の手を撫でてから

「じゃあ、もう寝な?明日になったら、きっと熱も下がってるよ。」

と言って、ニコッと笑いかけてくれた。
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