ある雪の降る日私は運命の恋をする
看護師さんに頼んで、俺は病室の前で待っていた。

少しすると看護師さんが出てきて、俺はお礼を言ってから、また朱鳥の病室に入った。

朱鳥は布団を頭までかぶり、丸くなっていた。

時々、鼻をすするような音も聞こえる。

泣いてるのかな……

「朱鳥、大丈夫?」

そう言うと、少しだけ布団から顔を覗かせた。

やっぱり泣いていたみたいで、目元にはまだ涙がついていた。

顔は赤くて、もしかしたら、また熱が上がってきたのかもしれない。

「朱鳥、熱計っていい?」

そう言うと朱鳥は小さく頷いた。

体温計を渡して計ってもらう。

ピピピピピッ♪

ピピピピピッ♪

朱鳥から渡された体温計には39.7の文字。

「あー、上がったね。キツイ?」

そう言うと朱鳥は涙目でコクンと頷いた。

「じゃあ、解熱剤使おうか」

コクン

涙目の朱鳥の手を握って声をかける。

「朱鳥、辛いね。我慢して偉い。あと少しだから頑張ろうな。」

コクン

俺はまた病室を出て解熱剤を取りに行った。
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