ある雪の降る日私は運命の恋をする
毎日だんだん辛くなってくる体を励ましながら、ついに前処置最後の日。

今日と明日、これさえ頑張れば大丈夫だから。

そう、自分に言い聞かせても、今日はいつもとは比べ物にならないくらい辛いし苦しい。

ずっと下がらない高熱。

呼吸をする度にガンガンと痛む頭。

その上、常に吐き気と倦怠感が体全体にまとわりつく。

口には、今日も酸素マスクが着けられて私の呼吸を助けている。

私は、必死に耐えた。

楓摩に頑張るって、約束したから。

頑張って、頑張ってこれを乗り切れば、あとは楽だから。

楓摩の前ではできるだけ涙は見せたくなかったから、楓摩がいないうちにいっぱい泣いた。

イルカの人形をギューッと抱きしめて、涙を零した。

なんの涙かはわからない。

痛みからくる涙。

苦しさからくる涙。

辛さからくる涙。

精神的疲労感からくる涙。

全部が合わさった涙のような気がする。

ご飯も昨日から全く食べられなくて、今日食べないとチューブを入れるって言われたけど、こんな体調じゃ食べれないよ……

起きていることすら辛いのに…

寝ても、今日は悪夢ばかりの日みたいで、本当に嫌だ。

辛いよ…………
< 407 / 505 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop