ある雪の降る日私は運命の恋をする
朱鳥を寝かしつけたあと、俺は医局に戻って朱鳥の一時帰宅の手続きをしていた。

……そーだ。明日、朱鳥にどこに住んでたのか聞かなきゃ。

住民票とか移さないといけないし……

でも俺、そういえば朱鳥の事まだまだ知らないな……

ま、気長に待って聞いてみるか。

そんなことを、考えてると……

「よっ!ふーませーんせ!」

後ろから、急に陽向が抱きついてきた。

「なんだよ、陽向。楓摩先生とか呼ぶな、気持ち悪い。あと、離れろ。」

「うわっ!ひっでぇ~!!いきなりキモイとか言うなよ~!」

「うるさい、陽向。」

「むぅ~!!楓摩のバカ。」

「………………。」

俺は無視することにした。

「あ、そーいえば。朱鳥ちゃんどーだった?検査の時、結構泣いちゃってたでしょ?俺も、一応手握ってたんだけどね………」

「朱鳥なら、大丈夫だよ。終わった直後は、結構泣いてたけど、もう全然元気だよ。今は、寝てるよ。」

「まじか…。楓摩パワーすげぇ……」

「まー、彼氏だしなー」

「いーなー。羨ましー」

そういって陽向は子供のように、口をプクッと膨らませた。

「あ、俺たち同居することにしたから。」

「は……」

陽向はポカンと口を開けて、しばらく静止していた。

「って……えぇ!?お、お前ら同居すんの!?」

「うるせーよ。しちゃ、ダメかよ。」

「むぅ~!!ダメじゃないけど……。青春してますね……」

「なにが、青春だ!俺は青春なんて、とっくに過ぎたわ!」

「くっそー!俺も、いつか彼女作ってやるぅ!」

「はいはい。頑張ってくださいねー」

陽向は、膨れっ面のまま机に突っ伏してそのまま……

寝た。

「おい、陽向。そんなところで寝てたら体痛くなるし、風邪ひくぞ。」

「はいはい。わかってますー」

もう、ほっとく事にした。
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