ある雪の降る日私は運命の恋をする

楓摩side

「朱鳥、じゃあ局部麻酔するね。」

今日は、朱鳥はいつもよりは嫌がらず、検査を受けてくれている。

麻酔の時も、頑張って耐えてくれていた。

「よし、朱鳥、あと5秒。これだけ頑張ろうね。いい?」

朱鳥は、しっかりコクンと頷いてくれた。

「じゃあ、行くよ。いちにーのさんっ」

朱鳥は、黙って頑張ってくれる。

たった5秒でも、凄い痛いはずなのに、声も漏らさず、我慢してくれる。

「よし、終わり!!朱鳥、よく頑張ったね!!」

検査だけでなく、今までの治療も含めて、これでほぼ終わったと言ってもいいだろう。

朱鳥は、少し涙目になってたけど、俺がそう言うと、満面の笑みを浮かべてくれた。

やっと、これから幸せが来る。

そう思っていた。
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