ある雪の降る日私は運命の恋をする

朱鳥side

「朱鳥っ」

そう呼ばれた瞬間、目の前が真っ暗になった。

なにも見えない。

どこかもわからない空間。

私は、どうしたの?

自分の姿も見えないけど、私は、私が泣いている事だけがわかった。

なんで、泣いているんだろう。

なにがあったんだろう。

さっきまで、あんなに幸せだったはずなのに…

どうしても思い出せない。

どうした、こうなっているのか。

ここがどこなのか…

もしかしたら、ここは夢の中なのかもしれない。

……でも、だとしたらどうして?

寝た記憶なんてないのに。

真っ暗な闇の中で私は、わけもわからず、ひたすら涙を流し続けていた。
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