ある雪の降る日私は運命の恋をする
ゆっくりと目を開けると、見慣れた真っ白な天井。

聞き覚えのある命の音。

ピッピッピッピッ……

私の口には酸素マスク。

腕には点滴。

そして、体に伸びる数本のコード。

それがモニターに繋がれて、私の心臓の鼓動を表している。

なんで、私、病院にいるの?

さっきから、わからないことだらけ。

ついさっきまで、幸せだったあの時間は、どこにいったの?

なんで、私は、また泣いているの?

体は動かない。

……いや、動けない。

体中が痛くて、動くことができないのだ。

なんで、なんで、なんで……

私の幸せはどこにいったの?

もしかして、今までの幸せだった時間の記憶は全部、夢?

だとしたら…………

私は、涙を流し続けた。

動くことのできない体で天井を眺めながらひたすら涙を流した。
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