ある雪の降る日私は運命の恋をする
「……朱鳥…ちゃん?」

ふと、声のした方を向く。

そこには、陽向先生がいた。

「よかった。朱鳥ちゃん、目が覚めたんだね。もう、心配したんだからね?」

そう言って、私の手を握ってくれる。

でも、私は涙を流し続けるばかり。

「朱鳥ちゃん、大丈夫?」

「………………ふ……ま…は?」

途切れ途切れにそう聞く。

すると、陽向先生の顔が曇った。

陽向先生は、また私の手を握って、それから私の目をしっかり見て話し始めた。

「……朱鳥ちゃん、この前の事故のこと覚えてる?」

ウウン

「覚えてないのか…。そっか。じゃあ、よく聞いてね?あのね……」

そう言って陽向先生は、私たちがあの日、どうなったのかを教えてくれた。

私は、それを聞いて、もっと涙を流した。
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