ある雪の降る日私は運命の恋をする
少しして、陽向先生が私のベッド周りのカーテンを全部開けてくれた。

それから、右隣のベッドのカーテンを少しだけ開けてくれた。

私が右のベッドを見ると、そこには、人工呼吸器を着けられて、頭に包帯をグルグルと巻かれ、沢山の管を繋がれている楓摩がいた。

管の先には、心電図のようなものと、沢山の点滴。

顔にも沢山のアザや傷。

両腕にも大量のガーゼや包帯も巻かれていた。

それは、思わず目をそらしたくなるようなほどの、痛々しい姿だった。

私のせいで……

そう思うと、また涙が浮かんできた。

なんでだろう、今日は泣いてばかりだ。

「楓摩…………」

そう言って、痛い体を精一杯動かして楓摩の方へ手を伸ばした。

すると、少しだけ指先が楓摩の頬に触れた。

楓摩の頬はとても熱かった。

「朱鳥ちゃん、ごめんね。楓摩も、まだ熱高いから、もうそろそろ、カーテン閉めるよ。」

コクン

私は、伸ばしていた手を戻して、布団に潜った。

陽向先生はそっと背中をさすってくれた。
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