ある雪の降る日私は運命の恋をする

陽向side2

朱鳥ちゃんが目を覚ました。

朱鳥ちゃんは、俺が、夜の回診で見に行った時、天井を眺めながら涙を流していた。

俺は、それを見た瞬間、胸が痛くなった。

それから、朱鳥ちゃんは泣きながら「楓摩に合わせてほしい」と言った。

楓摩の姿は、まだ俺でも見るのが痛々しいほど傷がいっぱいあるし、会わせてあげようかどうか迷った。

精一杯口実を作って、止めようと思ったけど、朱鳥ちゃんにあそこまで泣かれたら、俺も会わせあげるしかないじゃん。

その後、朱鳥ちゃんに楓摩と会わせてあげると、朱鳥ちゃんは泣き出した。

さっきよりも、多く涙を流して、布団に潜ってしまった。

俺はそんな2人を見ているのが辛くてそっと朱鳥ちゃんの背中をさすった。

次の日

3週間も眠ったまんまだった朱鳥ちゃんは、体が動かないと言っていた。

まあ、それもそうだろう。

事故のせいで、楓摩ほどではないが朱鳥ちゃんもそうとうな怪我をしている。

それに、3週間ベッドの上で眠ったまんまだったから、体も全然動かしていないし、筋肉も衰えるだろう。

今日からゆっくり、リハビリをしていこう。

俺がそう言うと、朱鳥ちゃんは、しっかりと頷いた。

その日から朱鳥ちゃんのリハビリは始まった。
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