ある雪の降る日私は運命の恋をする
そんなある日、私はいつも通り楓摩の病室に来ていた。

でも、今日はなぜか、病室に入った時から陽向先生が居た。

陽向先生は、私と一緒に楓摩のベッドサイドの椅子に座り、しばらく黙っていた。

少しして、陽向先生がおもむろに口を開いた。

「朱鳥ちゃん……」

「………………」

私は何か嫌な予感がして、黙っていた。

「朱鳥ちゃん、あのさ。」

陽向先生は私を見つめて言う。

「楓摩、最近弱ってきてるの気付いているでしょ?」

「………………」

「楓摩ね、傷は完治してるし、もう意識以外は何も問題ないんだ。だからさ…」

「嫌だっ!!」

私は、陽向先生が何かを言う前にそう叫んでいた。

陽向先生が何か酷いことを言う気がして、楓摩のことを諦めようとしている気がしたから。

「朱鳥ちゃん、大丈夫。よく、聞いてくれないかな?」

そう言って陽向先生は私の手を握った。

「あのね、悪い話じゃないんだ。…ただ、病院側がね、これ以上体に異常がない人を病院に置いておけないっていうんだ。……だから、楓摩を家に帰してあげれないかな…って。もちろん、栄養の点滴とかチューブ、酸素マスクとかはするよ?だけど、それを家でやろうよ。っていう話。どうかな?」

「…………楓摩は大丈夫…なの?」

「うん。大丈夫。病院に居る時とほぼ同じだから。ね?」

「……わかった。」
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