ある雪の降る日私は運命の恋をする
反射的にわかった…って言っちゃった。

……でも、本当はまだ不安だよ…

病院側が楓摩を見放したんじゃないか……って

そんな事を考えていると、陽向先生がポンと私の肩に手を置いた。

「朱鳥ちゃん、大丈夫。大丈夫だから。俺も、当直無い日は毎日家に行ってあげる。だからさ、少しずつでいいから、検討してみない?楓摩も、家に帰れた方が嬉しいと思うしさ。」

そう言って笑う陽向先生の顔は少しだけ寂しそうだった。

「……わかった。楓摩もそっちの方が良いよね…」

私は、そう言って楓摩の頭をそっと撫でた。

きっと、陽向先生も本当は私と同じ気持ちのはず。

だけど、大人の事情だもんね。

仕方ない。

それから1週間後、楓摩の退院が決まった。
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