ある雪の降る日私は運命の恋をする
解熱剤を打ったにも関わらず、熱が全く下がらない朱鳥ちゃんの看病をする。

保冷剤を変えてあげたり、汗を拭いてあげたりしていると、朱鳥ちゃんがうっすらと目を開けた。

「んぅ…………」

「おはよ、朱鳥ちゃん、目、覚めたみたいだね。体大丈夫?」

そう聞くと朱鳥ちゃんは、ぼーっとしているのか、スーッと涙を流してから小さく

「楓摩…」

と一言、言った。

それから俺が朱鳥ちゃんの頭を撫でてあげると朱鳥ちゃんは

「楓摩…楓摩……楓摩…………」

と言って涙をいっぱい零した。

俺は、そんな朱鳥ちゃんを見ているのが辛かった。

でも、俺にはどうすることも出来ないから、ただひたすら朱鳥ちゃんの頭を撫でてあげた。

朱鳥ちゃんは、ずっと泣き続けた。
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