ある雪の降る日私は運命の恋をする
今日も私は点滴を受ける。

病院の天井をぼーっと眺めて、時間を潰す。

体が動かないから、体を起こすことすらできない。

ただ、楓摩の事を考えながら天井を眺める。

熱のせいで歪んで見える世界。

目を開けていることも辛いのに、寝ることも辛い。

どうすることも出来なくて、天井を眺めていると、いつの間にか寝てしまう。

寝ると、嫌な夢を見て辛くなる、目が覚めたら苦しくて辛くなる。

何なんだろう、なんで、私には辛い事しか無いのかな……

そんな考えで毎日1回は必ず涙を流す。

白血病の治療の時は、毎日楓摩がいてくれた。

私がどんなに辛くても、楓摩が居たから乗り越えられた。

…だけど、楓摩と会話もできない、楓摩の声も聞けない、今。

私は、この辛さを乗り越えられない気がした。

もう嫌だよ…………
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