ある雪の降る日私は運命の恋をする
「嫌ぁっ!!楓摩!!楓摩!!!!!!」

混乱して泣き叫ぶ朱鳥ちゃん。

俺は、すぐに楓摩の心肺蘇生に取り掛かった。

「楓摩、死ぬなよ!!絶対、死んだらダメだからな!?」

頑張って、頑張って、心臓マッサージを続ける。

幸い、楓摩の心臓は完全に止まった訳ではない。

でも、このまま放っておけば、間違いなく楓摩は死ぬ。

……せめて、AEDがあれば…

ここのマンションには、1階のエントランスにあったはず……

だけど、俺は行けないし、朱鳥ちゃんもまだ熱が高くて動けない…

どうしよう…………どうしよう……

「陽向先生っ、わ、私、行ってくる!!」

「えっ!?」

心臓マッサージを続けながら朱鳥ちゃんの方を振り向く。

朱鳥ちゃんは、ヨロヨロと立ち上がり、フラフラとした足取りで走っていった。

…もしかして、AEDか助けを呼んでくれるのかな……

朱鳥ちゃんは心配だけど、今は楓摩が第1だ。

「楓摩っ、死んじゃダメだからな!!朱鳥ちゃん、どうするんだよ!!絶対、死ぬな!!!!!!」

俺は必死に心臓マッサージを続けた。
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