ある雪の降る日私は運命の恋をする
「…………なた…ひなた……」

楓摩に名前を呼ばれて目が覚める。

……ん?

名前を呼ばれる…………?

驚いて楓摩の方を向くと楓摩が目を開けていた。

「ふ、楓摩、目、覚めたのか!?」

「…うん……っていうか、俺そんなに寝てた?」

そう言って、楓摩は苦笑いを浮かべた。

「バカ。心配したじゃねーかよ。…何ヶ月も眠ったまんまだし、おまけに、心臓は止まりそうになるし」

「えっ、俺、そんなに危なかったの?」

「そうだよ。…まあ、良かった。安心したよ。」

そう言うと楓摩は少し笑って

「ごめんな」

と言った。

いつもの楓摩だ。

俺は心の底から安心した。
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