ある雪の降る日私は運命の恋をする
「………………」

「………………」

いつもは賑やかな食卓が、今日はやけに静か。

理由は簡単。

楓摩の元気がないから。

ご飯を食べながら黙々と何かを考えているみたい。

私が、少し心配しながら見ていると、楓摩は私の視線に気がついたのか、パッと笑顔を貼り付けた。

「……楓摩、どうしたの?」

「えっ?なにが?なんでもないよ」

作り物の笑顔でそう言う。

「…嘘つき……」

私がボソッとそう言うと、楓摩は暗い表情になった。

「……ごめん。悩み事があるだけ。…解決したら、言うからさ。」

楓摩は、それだけ言うと、また笑顔を貼り付けて、いつも通りに振舞った。

そんな、楓摩をみて、私もいつも通りを演じた。
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