ある雪の降る日私は運命の恋をする
暗い暗い何も無い真っ暗な道を私はただ進む。
これは、夢だろうか
うん。きっと、夢だ。
また、嫌な夢……
早く覚めればいいのに…
そう思いながら、私は黙々と足を進めていく。
光もない。
音もない。
ただわかるのは、自分の体温と心臓の音。
寂しい……
その時
微かに音が聞こえた気がした。
「………………すか…朱鳥ちゃん」
誰の声?
優しそうな女の人の声。
「この子がお兄ちゃんだよ」
お兄ちゃん?
なんのこと?
「こんにちは!!朱鳥ちゃん。俺、××。よろしくね!!」
××くん……
ハッと目を開ける。
そこにはいつもの家。
安心したのか、わからないけど、私は涙を流した。
そして、無意識のうちに
「………………お兄ちゃん…」
そう呟いた。