ある雪の降る日私は運命の恋をする
「朱鳥…………」

俺は、涙を我慢することができず、遂に、こぼしてしまった。

「ちょ、楓摩、大丈夫?どうしたの?」

「朱鳥、俺、俺だよ。」

「えっ?楓摩、大丈夫?」

朱鳥は驚き、戸惑っている様子だ。

「俺、…………覚えてない?昔、一緒に過ごしてただろ?…この宝箱も一緒に埋めた!!そうだよ!思い出した!!あっちゃん!!この呼び方、覚えてる?ずっと一緒にいるって約束も!」

それだけ言うと、朱鳥はしばらくポカンとして、それから少しして目に涙を浮かべた。

「朱鳥、聞いて。これから、大事なことを話すから。俺の…いや、俺達の昔の話。……聞いて…」
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