ある雪の降る日私は運命の恋をする

本当の出会い

「では、今日から、半年試験委託期間ということで、よろしくお願いします。」

両親が施設の職員から、小さな赤ちゃんを受け取る。

少しでも力を入れたら、すぐに壊れちゃいそうなほどの小ささ。

「今日からよろしくね、朱鳥ちゃん」

母さんがそう言う。

それから、俺の方へ向けて

「お兄ちゃんだよ。ほら、楓摩も"よろしくね"って」

「よろしくね、朱鳥ちゃん!!」

小学校低学年くらいの、俺は元気にそう言った。

赤ちゃん…いや、幼い頃の朱鳥は、少し不思議そうな顔をしてから、花が咲いたように笑った。

それが、俺らの本当の出会いだったんだ。
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