ある雪の降る日私は運命の恋をする
楓摩に抱っこされたまま車に乗せてもらった。

「朱鳥、大丈夫?」

「大丈夫……だ…よ……?」

「朱鳥……無理しちゃダメ。怖かったら泣いてもいいんだよ?」

その言葉に糸が切れたように、涙が溢れ出した。

「ウッ……グスッ…ヒック……怖かった…………怖かったよぉ…」

「ごめんね。俺が、もっと早く気づければよかったのに……」

楓摩は、私を優しく抱きしめてくれた。

「もう、大丈夫。大丈夫だよ。俺がいるからね。」

そのまま、私は楓摩の胸に顔を埋めたまま、しばらく涙を流していた。

その間、楓摩はずっと私の背中をさすってくれていた。

「泣き止んだ?」

「うん。もう、大丈夫だよ、ありがと。」

「ううん、朱鳥が無事で良かった。朱鳥は、可愛いからあーゆー奴らは気をつけないとね。」

「え、私?」

「朱鳥、自分では気づいてないみたいだけど、かなり美人の方だよ?」

「うっそぉ!」

「いやいや、まじだよ(笑)ま、朱鳥が元気になったなら、それで良し!お昼ご飯食べ損ねちゃったから、家に帰ってなんか食べよっか。」

「うん!楓摩のご飯おいしいから楽しみ!」

今回もまた、楓摩の優しさに助けられた。
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