ある雪の降る日私は運命の恋をする
それから、一緒に家に帰ってご飯を作った。

「朱鳥ー、ご飯できたよー」

「はーい!」

そういうと、子犬が尻尾を振りながら駆けてくるように、満面の笑みで来る朱鳥。

その様子に、さっきの事もあったので、ホッとする。

今日のメニューは、チャーハンだ。

「うわぁ!チャーハンだ!私、チャーハン大好きなの!」

「本当か!?良かった!!」

朱鳥を見ていると、おもわず笑みがこぼれる。

2人で、なんてことない話をしながら、ご飯を食べていった。

そんな時に、ふと、朝早くに朱鳥が泣いていたのを思い出す。

「そういえば……朱鳥、今日の朝早くに起きてたじゃん?」

「うん、なんだか目が覚めちゃって」

どうやって、涙の事を聞こうか迷う。

「……あのさ、その時、朱鳥泣いてなかった?」

「……え?…あ、あぁ!あれね、なんか……不思議な夢を見たような気がして……でも、なんか思い出せないんだよね…」

……夢

「それで、泣いてたの?」

「泣いていた訳じゃないんだけどね……なんか、気付いたら涙が出ててさ……なんだろう……不安な気分だったんだよね……でも、楓摩がギュッってしてくれたから安心できたんだよ?」

「そっか、なら良かった!朱鳥が泣いてたから、何か嫌なことがあったのかな…って思ってさ。」

いくら、俺でも大人が怖い朱鳥には、いきなり一緒に寝るのは嫌だったかな……なんて、考えてたけど、その心配はなかったようだ。

「ってか、楓摩あの時、寝ぼけてなかったの?私は、てっきり楓摩が寝ぼけてると思ってた(笑)」

「寝ぼけてなかったよ。だって、朱鳥になんかあったら大変だからね。」

「そっか、ありがとう。」
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