ある雪の降る日私は運命の恋をする
ガラッ

「希咲(みさき)!!朱鳥は!?」

「ちょっと、楓摩、落ち着いて!朱鳥ちゃんなら、そこに寝ているから。」

2人の話し声で目が覚めた。

あの先生、希咲先生っていうんだ……

シャッ

カーテンが開かれる。

「あ、ごめん、朱鳥。起こしちゃった?」

「うぅん……だぃ…じょぶ……だょ………」

「それより、顔赤いな……もう1回熱、計ってみて。」

そういうと、楓摩は私に体温計を渡してくる。

ピピピピピッ♪ピピピピピッ♪

「ちょっと、ごめんね。」

楓摩が、私から体温計を抜く。

「ヤバイな……」

「楓摩、何度だったの?」

希咲先生が聞く。

「39.7。結構上がったな……ごめんね、朱鳥。辛いよね。今から病院行こ?」

病院……

本当は嫌だけど、首を振る気力もない。

「じゃあ、抱っこするね?ちょっと、ごめんねー。希咲、ありがとう。助かった、これからも来るかもしれないから、その時はよろしくな。」

そういうと、楓摩は私を抱きあげて車まで連れていった。

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