ある雪の降る日私は運命の恋をする
隣では、点滴をいっぱい付けられ、酸素マスクをした朱鳥が寝ている。

熱が高かったから、辛かっただろうな。

そっと、朱鳥の髪を撫でる。

検査結果が出るまでは、あと、4日くらいある。

本当なら、家に帰ってリラックスできる時間なのに……

朱鳥は、口に出さなかったが、きっと病院に来るのも嫌だっただろうな。

「楓摩~、もうそろそろ、朱鳥ちゃん病室に移す?」

「あ、あぁ。そうだな…」

熱が高かったから、熱が下がるまで入院しなければならない。

「朱鳥ちゃん、ちょっと持ち上げるよ~いっせーのーで」

陽向と一緒に朱鳥を持ち上げて、ストレッチャーに乗せる。

「よし、行くよ。楓摩、なにボケッとしてんの?そんな、楓摩が落ち込んでも仕方ないでしょ?ほら、心配なんだったら、手握っててあげなよ。」

もう、陽向には適わないな。

「うん!」

陽向に言われた通り、朱鳥の手を握る。

それを見て、ニヤっとしてから陽向は、足を進めた。



病室に着いて、朱鳥をベッドに移す。

「ふぅ…ま?」

「ごめんね、朱鳥。起こしちゃった?」

「私……また…入院…………」

とっても悲しそうな顔をする朱鳥。

「大丈夫だよ、熱が下がれば退院できるからね……」

そういって、朱鳥の頭を撫でる。

「そうだよ、朱鳥ちゃん。今回は、ちょっとお熱が高かったから入院する事になっちゃったけど、お熱が下がったら、すぐ、退院できるから。そんな、悲しい顔してたら楓摩も落ち込んじゃうよ?」

「うん!私、熱下げれるように頑張るね!」

「よし、偉いっ!楓摩も、ほらスマイル!!」

今回は、陽向に助けられた。

だから、こいつはモテるんだろうな……(笑)
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