ある雪の降る日私は運命の恋をする
陽向が、病室を出ていったあと、朱鳥は重々しく口を開いた。

「楓摩……私、やっぱり病気…なの……?」

やっぱり、不安だよな……

「朱鳥。……検査の結果は4日後に出るよ。それまでは、なんとも言えないけど……多分…ね……」

「…だよね。……だって、私…こんなに頻繁に熱出す人じゃなかったもん……。やっぱり、病気って怖いね……。」

この熱で、朱鳥は体力的にも、精神的にも結構やられている。

ここは、俺が勇気づけなきゃいけない。

けど……

俺も、何を言っていいのかわからない。

陽向みたいに、前向きに考えて言葉を選ぶこともできないし、このまま落ち込んでいる訳にもいかない。

「楓摩……なんか、ごめんね?私、今日は疲れたからもう、寝るね…おやすみ。」

「あ、あぁ。おやすみ、朱鳥。」

そういって、電気を消しそっと部屋を出た。

部屋を出て向かった先は仮眠室。

陽向に相談したくて、何か、アドバイスを貰えないかと思いここにきた。

きっと、陽向はここにいるだろう。

ガラッ

「ん?あ、楓摩か。どうした?」

予想通り、そのには陽向がいた。

陽向は、ベッドに座り資料をよんでいた。

「ちょっと…さ。相談があって……」

「朱鳥ちゃんの事かな?ま、いいや。とりあえず、ここに座りな?」

「うん。」

俺は、陽向の横に腰をかけた。
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