ある雪の降る日私は運命の恋をする

朱鳥side6

スッキリとした目覚め。

昨日のような怠さもなく、爽快な気持ち。

昨日は、いっぱい泣いちゃったから、まだ少しだけ目が腫れている。

顔、洗いに行こうかな……

ベッドから起き上がり、病室に備え付けられた洗面所へと向かう。

水道から出る冷たい水は、とても気持ちが良かった。

コンコンッ

ガラッ

「朱鳥ーおはよー…って、いない!?朱鳥!?」

楓摩が焦ってるけど、顔を洗っているから返事ができない。

「朱鳥ー!?どこー?」

顔を水ですすぎ、急いで返事をする。

「はーい!ここに居るよー!」

「あっ!いた!どこいってたの?」

返事をすると、焦って走ってきた楓摩。

「ただ、顔洗ってただけだよ。心配しすぎ(笑)」

「心配しすぎなんかじゃないよ!どこかで倒れてたら大変でしょ!?」

「はーい。ごめんなさい。」

私の事を心配してくれる楓摩に少しだけ嬉しくなる。

「てか、朱鳥、もう熱は大丈夫なの?」

「大丈夫だよ!まだ、計ってないからわかんないけど……多分、大丈夫!」

「んー、なら良いんだけど。とりあえずベッド戻って、熱計ろ?」

「うん」

やっぱり、楓摩は医者なんだな…と改めて感じる。

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