ある雪の降る日私は運命の恋をする

楓摩side8

俺の腕の中で震えている朱鳥。

見ているだけで、胸が痛くなる。

今日は、検査の結果が出る日。

俺まで緊張してくる。

朱鳥は、昨日から緊張した様子でいた。

布団に寝ている時も、俺に隠れて泣いていた。

今日の朝も、とても不安そうな顔をしていて、こっちまで悲しくなってしまった。

「朱鳥、診察室に着いたよ。俺はこれからちょっと仕事があるから、それまでここで待っていてね。」

「……うん。」

「1時間くらいかかるから、それまでベッドで寝てるといいよ。昨日は、あんまりよく眠れなかったでしょ?」

「うん、そうするね……ありがと。」

朱鳥は、不安そうな笑顔を浮かべるとそのままベッドに横たわった。

「大丈夫だからね、俺が守るから。」

「わかってるよ。ありがと。」

朱鳥は、今にも消えてしまいそうなほど小さく見えた。

「朱鳥、俺……」

「ごめん。もう、大丈夫だから……。今は、1人にさせて……」

「うん……ごめんね。余計なお世話だったかな…ごめん。じゃあ、俺もう行くね。」

朱鳥……

ほっといて欲しいと言われても、やっぱり、気になってしまう。

朱鳥は、追い詰められたような表情だった。

結局、俺は、朱鳥をさらに追い詰めてしまっただけなのかもしれない。

もっと、不安にさせてしまったのかもしれない。

わかんないよ……

どう、接していいか……

朱鳥が…

わからないよ……
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