ヘタレ王子様の裏の顔
もう!!どい…
「どけ、邪魔だ」
シーン、とあたりが静まり返る。
どうやら、その声は輪の中から聞こえてきた。
でも、今の私にはそんな事は気にならなかった。
「いっ…たた」
先ほど男子の肘が当たって倒れた時に、どうやら頭を打ってしまったみたいだ。
だんだんと、意識がなくなってくる…。
ああ、天使の顔…みれなかっ…た…な…。
薄れゆく意識の中、誰かがこっちに走ってくる姿が見えた。
「ミオ!!」
そんな声とともに。