ヘタレ王子様の裏の顔
王子様はヘタレなのです
「ミオちゃん…ごめんね、僕、寝坊しちゃって」
「………。」
「ミオちゃんっ…」
「ああ、もう!!」
悲願するようなその声に、思わずいたたまれなくなって、キッと春くんを睨みつける。
突如出した私の大声に、ビクッと反応する彼は。
サラサラとした黒髪。背はグンと高いのに、顏は童顔よりの中性的な整った顏。
そう、例えるなら王子様…なんだけどーーーー
「今日は何で寝坊したの」
「昨日、深夜までゲームしてたから…」
「バカー!!」
私、白石 美桜【シライシ ミオ】の幼なじみ、黒木 春【クロキ ハル】は、容姿だけは万端なのに。
「ううっ…ごめんなさいっ…」
とてつもなく、ヘタレなのです。