ヘタレ王子様の裏の顔
……え。
なに……こ…れ……。
春くんは、スタスタと私の前まで歩いてきた。
そして、ちょうど私の前まで止まり、目が合ったときーー。
ガバッ
「良かった…!!大丈夫?体調は悪くない?」
「へ…?え、あ、うん」
私の腕を引いて、そのまま私を抱きしめた。
ふあっ、と春くんのお日様みたいな香りが私を包む。
力強い腕。
たくましい背中。
あれ……春くん。
ーーこんな、男の人だったんだ。