ヘタレ王子様の裏の顔




……え。



なに……こ…れ……。



春くんは、スタスタと私の前まで歩いてきた。



そして、ちょうど私の前まで止まり、目が合ったときーー。



ガバッ



「良かった…!!大丈夫?体調は悪くない?」



「へ…?え、あ、うん」



私の腕を引いて、そのまま私を抱きしめた。



ふあっ、と春くんのお日様みたいな香りが私を包む。



力強い腕。



たくましい背中。



あれ……春くん。



ーーこんな、男の人だったんだ。








< 21 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop