ヘタレ王子様の裏の顔
「あの、犬井くん…どうし…」
「ミオちゃん、僕、彼と少しお話ししたい事があるんだけど…」
私の言葉を遮って、そう言ってきた。
ジッと私を見つめる目は、私に訴えてる。
ああ、可愛い…!!
「それじゃあ、私は荷物を取りに教室戻ってるね。終わったら、靴箱で待ってるから」
うん、とキュートな笑顔で答えた春くん。
男子の積もる話かな?
春くん、あんま友達いないから、これをきっかけにできればいいな。
どんな話をするんだろう、と少しワクワクした気持ちになりながらも、私は教室へと急いだ。