ヘタレ王子様の裏の顔
今は、ミオは俺を見てくれる。
可愛い春くんを。僕を。
ミオちゃんが大好きな可愛い幼なじみを。
だから、そんな春くんを俺が消して、可愛い幼なじみを消してしまったら。
ーーきっと、ミオは俺を見てくれなくなってしまう。
それが、怖い。
友達も、俺を置いて海外へ出ている親も、教師も、そんなのどうだっていい。
ただ、ミオがいなくなるのは、見てくれなくなるのは、怖い。
ーー俺は、ミオさえいれば、他は何もいらないから。