ヘタレ王子様の裏の顔
それよりも、今はこいつか。
「話ってなんすか…黒木先輩」
まるで忠犬のように、俺を威嚇する…えと、犬井…?だっけ。
あまりにも目を覚まさないミオを心配して、保健室へ行ったがこのザマ。
ミオも酷いな。
あの時、巨漢デブにケガを仰せやれて、俺がどんな気持ちになったか。
思わず、素を出して野次馬を蹴散らしてしまったけど。
あの時は、全身の血が逆流するように熱くなった。頭から血を流し、倒れていくミオをみて、心臓が止まるかと思った。
にもかかわらず。
そんな俺を放って置いて、自分は仲良く他の男と雑談か。なんか迫われてたし。
ーーこれは今度、お仕置きだなぁ。