ヘタレ王子様の裏の顔
「その顔で色仕掛けとか、余計タチが悪いな」
……んだ、コイツ。
さっきの犬っころのような表情とは、ウッと変わり、まるでライオンのような濃厚な表情。
鋭い目。腕に加わる力は、並みの男より強かった。
「…なに、言ってるの?それより離してくれないかな…腕、痛いよ」
「俺、あんたを見た時、すぐわかったよ…俺と同類だってな。そうだろ?黒木先輩」
ここまで言われれば、もう、止むを得なかった。
「…離せよ、犬っころが」