ヘタレ王子様の裏の顔
「てめっ…はなっ…」
「先輩はずるいですよ…幼なじみという関係だけで、ミオ先輩を縛れる」
その言葉に、思わず目を見張った。
ミオを…縛っている?この俺が?
いや…違う。俺は…ミオにただ、そばにいて欲しいだけで…
「あんなヘタレ王子演じて、周りの男どもを蹴散らして。
ミオ先輩の気持ちは?あんたのわがままに付き合って、本気で心配してる先輩はどうなんだよ!!」
ミオは、いつだって俺のそばにいた。
それは、俺がヘタレだから。心配で、目が離せないから。
はは…だよな…。
何を勘違いしてるんだ、俺は。
ミオが今、俺のそばにいるのは…
ーー俺が、ミオを束縛しているから。