ヘタレ王子様の裏の顔
「俺は…ミオ先輩にとって、今日''初めて''あった後輩でしかない…はは、先輩ってば。
俺のこと、忘れてるし…」
まるで、今日会ったのが初めてでは無いような言い方だった。
切なげに、苦しそうに吐きだしている犬井の表情を見れば、それだけミオを想っていることがよくわかった。
ミオは…こんな俺より、犬井の方が良いのか…?
束縛して、ミオの気持ちさえも考えなかった俺より…こいつの方が…
なんて。
悪い、ミオ。
俺は、あの時から。
あの瞬間から、ミオだけを思ってきた。欲しいと思った。
だから今更、束縛だなんだって、引くわけがないだろう?
俺はーー