ヘタレ王子様の裏の顔
「グスっ…ミ、ミオちゃん…」
「は、春くん!?どうしたの…?」
未だ俺の上で、「なん、え!?は!?」とか言っている犬井。
しょうがない。お前が言ったんだ、なんか話せって。
…つか、どけよ。重い。
「い、犬井くんがっ…いき…なり…僕はイヤだって…言ったのに…」
「は!?一言も言ってないけど、俺!!つか、切り替えはえーなあんた!!」
俺にツッコミを入れてる場合じゃねーと思うぞ?犬井。
ガシ、と犬井の肩を掴んだミオは、そのままヤツを地面に放り投げた。
勢いよく。ボキッ、という音が聞こえたのはきっと気のせいだ。