ヘタレ王子様の裏の顔




「ちょっと待って、ミオちゃん」



私の手首を、力強く握る。



まるで、離さない、とでも言うように強く強く。



顔を上げれば、今度は私の心を見据える様な眼差しと、目が合う。



なんか…今日の春くん、春くんじゃないみたい。



いつもとは違う、何故だか、キリッとした表情。



そして思わず、ドクン、と心臓を鳴らしてしまう私も、きっとどうかしてるのだろう。




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