ヘタレ王子様の裏の顔




と、その時。



力強い腕に引かれ、私の身体はそのたくましい体にスッポリと収まった。



ーー春くんが、私をその腕に私を閉じ込めた。



「…なっ!な、なに春くん…は、は、離してよっ」



突然の事に、声が裏返った。



顔に熱が集まる。心臓は、余計に鼓動が増した。



離すどころか、益々抱きしめる力を強くした春くん。



もう…心臓がハデツしそう。



どうしたんだろう、今日の私。恥ずかしい。とても恥ずかしい。



だって、いつもの春くんに。可愛い、弟みたいな春くんに。



ーー男の人を感じてしまったから。



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