ヘタレ王子様の裏の顔
「なぁに?春くん」
そう言うと、別に…と言って、俯いてしまった。
ああ、もしかして。
私が顔を近づけたから、きっと照れちゃったんだな。
もう、健全な男子高校生なのに。
幼なじみの顔を近づけたくらいで赤くなるとか…春くん、将来大丈夫かなぁ。
いつか好きな人ができたり、就職の時とか…
面倒見のいい人が見つかればいいけど…昔から、全然ダメだもんなぁ。
大きくなったのは体だけ…って、あれ?
「…ねぇ、春くん」
「なに?ミオちゃんっ」
「何で息切れしてないの?」
何故か笑顔のまま、ピキッと固まった表情。
何で固まるの?