神恋〜恋に落ちた神と巫女〜


目を開けると書物を読む奏が隣にいた。
神様って人間より温かいんだなあ。

あの夢は、きっと桔梗自身が見せた夢だ。

洞窟の中は凄く寒くて寂しくて暗くて怖くて、


やっぱり殺された恨みなのか。


「同情すると持っていかれるぞ」


そう思うと、今の私はとても冷静だ。
普通こんな目にあったら焦るし落ち着かないだろうに。

今の私は謎が多くて何がなんなのかよく分からない。

話を聞いている限り奏は全てを知っている。

知りたい、けど怖い。


「奏は全部知ってるの?」

「言わずとも。全ての記憶はじきに思い出す」


謎が深まるばかりだしこれじゃ桔梗から逃れる方法すら分からない。


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