神恋〜恋に落ちた神と巫女〜
「行くぞ」
スタスタと歩いて行ってしまう奏に私は小走りでついて行った。
本殿からは少し離れた所に濃い霧で隠された小道があった。
(こんな所に道があったんだ‥)
「人が入れぬようにまじないで道は見えぬようになっている。お前がこの道を見れるのは俺が印をつけたからだ」
迷わないように奏の袖を軽く掴みながら必死について行く。
ひらけた所に出たと思い前を向くとそこには彼岸花で囲まれた美しい湖があった。
ここは確かに脳裏で過ぎった湖だ。
水鏡と言うように透き通った清らかな水には晴れた空が映し出されていて、とても神秘的だった。