神恋〜恋に落ちた神と巫女〜
「バレてないとでも思ったか?」
「あ〜っと、ダメだった?」
書物を読みながらため息をつく奏は不機嫌なのかよく分からない。
勝手に持ち出したらダメなものだったのかな。やばかったかな。
「あの巻物は俺のまじないがかけてある。お前を守るように作った言わば形代。
水鏡湖に行けば何がなんでも行きたがるだろうし、バカな月夜だから絶対落ちると思った。
その首筋の印があれば何とか守ってはくれるが、万が一に備えての保険だな。
白紙だから水鏡湖に浸せば文字が見えるとか考えるだろうとは思ったが」
ぜ、全部お見通しだったわけか‥。
でもそのおかげで、お母さんと桔梗にあった出来事が何だったのか、桔梗がなぜ死してこの地に居座るのか、本堂家の人たちを飲み込む理由は明らかに出来た。
結果オーライってとこかな。