神恋〜恋に落ちた神と巫女〜
第五幕 : 忌子
「まあ、そのためにかけたまじないだ。
お前が助かっていればそれで良い」
奏は恥ずかしい事をさらっと平気で言ってしまう所がある。
その度に私はとても動揺するけど彼はそんなことお構い無しだ。
私だけ振り回されてなんか不公平だよ。ずるいよ、悔しい。
「か、奏は!格好良いよね!」
「なんだ急に」
「髪も目も綺麗な水色で、着物もよく似合ってる!!」
「それがどうした」
なんか、さっきから私空回りしてない?
せっかく褒めたのに照れてもくれない。
私ばっかり恥ずかしい思いしてるの嫌だ。
私が照れたり顔が赤くなったりしてるように奏も同じようにさあ‥‥。
「お前は怖いか?
家族も全て失い孤独になるのは」
孤独、か。