神恋〜恋に落ちた神と巫女〜
「じゃあボクが月夜ちゃんを満足させたげる」
「わっ?!」
裏に私たちの他に誰かが住んでたって言うの?!
いやいやいやいや!!!
おかしいって!
そもそも何で私の事知ってるの?!
「カナデ様はお風呂入ってるんだよ」
「し、知ってる‥‥けど」
何で奏の事も知ってるの?!
この小さな男の子も着物着てるけど、桔梗の遣いだったりして?!
「月夜ちゃんボクに絵本読んで!!」
(何なの一体‥‥、)
差し出された可愛らしいクマの絵本を私はおそるおそる受け取った。
準備万端とでも言うように私の膝の上に乗るその可愛い男の子は、大きな瞳でまだかまだかと私を見つめる。
「よ、読むね‥‥」
「うん!!」
前に向き直るその子は、クマさんの絵をキラキラした瞳で見つめる。
「ある所に、心優しいクマさんがいました」
話を聞く姿は好奇心を感じられた。
自分の感情のままに笑ってみたり、泣いてみたり。
素直だと思った。