神恋〜恋に落ちた神と巫女〜
第七幕 : 御琴
どこかへ行ってしまった奏。
部屋には、私と眠るナツくんだけ。
ナツくんは、まだこんなに幼いのに、母親からの愛情をたくさん貰う1番大事な時期なのに、
使いのお仕事を頑張ってきたんだろうなあ。
風邪を引かないように掛け布団を掛けてあげる。
「通りゃんせ 通りゃんせ ここは何処の細道じゃ‥‥、」
頭を撫でながら私は唄った。
通りゃんせは、わらべ歌であって子守唄ではない。
だけど、私は7歳の頃までこの唄を唄ってもらっていた気がする。
「天神様の細道じゃ ちっと通してくだしゃんせ 御用の無い者通しゃせぬ‥‥」
通りゃんせの歌詞に、
“この子の七つのお祝いに お札を納めに参ります 行きは良い良い 帰りは怖い”
と言う歌詞がある。
七つ、つまり7歳までは神の子とされている。神に守られていると言う。
ナツくんは見る限りちょうど7歳くらい。
ナツくんがずっとこの姿のままなのは、7歳までは神の子だからなのかも知れない。
そうすれば奏がいない時でも他の神に守られる。