神恋〜恋に落ちた神と巫女〜
第八幕 : 狐面
なんか、凄く頭の中がごちゃごちゃしてきた。
記憶が少しずつ戻ってきてるのは嬉しいんだけど、そのせいでこんがらがる。
そんな事より私は奏に凄く恥ずかしい事を言った気がする。
「愛してるとか何もう‥‥」
和室に寝転がりながら手で顔を覆った。
私も恥ずかしい事を平気で言ってる所あるなあ。
(人のこと言えない‥‥)
「じゃなかった。神のこと言えない、かな」
独り言をブツブツ言いながら立ち上がると、
「ナツくん?」
和室の入り口には狐のお面をつけたナツくんが居て、私をただ見つめていた。
そこから感じる“付いてきて”と言う感情。
するとナツくんは走り去ってしまった。