神恋〜恋に落ちた神と巫女〜
気のせいだったのかな。
お面を付けたナツくんはどこにも居ないし、それに最初から奏の隣で寝ていたんだ。
ただの気のせいだ。
「お前の好きな焼き芋あるぞ」
「ほんと?!やったー!!」
焼き芋でも食べてさっきの不思議な出来事は忘れよう。
奏が焼いてくれたホクホクのさつまいもを2人で半分にして食べる。
「美味しいもう死んでもいいくらい美味しい!!」
「下らんな」
口いっぱいに甘いさつまいもを頬張りペロリと完食してしまった。
「焼き芋久しぶりに食べた!」
「ついているぞ、幼稚なやつだな」
大の字に寝転がる私の口についた焼き芋のかけらを、
奏は取ると平然と口に入れた。
(わっ‥‥食べちゃった‥!!)
今にも湯気が出そうなほどに顔を赤くした私はバレないように身体をうつ伏せにして顔を隠した。