神恋〜恋に落ちた神と巫女〜
残りの焼き芋を全て完食し、私は落ち葉の処理をしていた。
葉の少し焦げたような匂いがしたけど、ほんのりとした甘い香りも混ざっていて。
(この独特な香り好きだなあ〜)
周りに落ちている落ち葉もほうきで掃く。
あと少しで掃き終わると言う時に、それはまた現れた。
「ナツくん‥‥?」
またもや狐の面を被ったナツくんが私をじっと見つめていた。
私が構わないから拗ねてるのかな。
「来て」
ボソリと呟いたナツくんは本殿の裏へ走って行った。
(来てって‥‥)
面白いものでもあるのかな。
奏は本殿でお昼寝しているけど、私1人でも大丈夫かな。
だって本殿の裏には、
「ナツくーん、走ったら危ないよ〜」
そんな色んなことを考えながら私は追うように走って追いかけた。